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40年経過の断熱材
グラスウールの耐久性
近年は様々な断熱材がありますが、各工務店さんはどのような視点で選んでいるのでしょうか?
1、透湿性能
2、断熱性能
3、耐火性能
4、施工性
5、価格
6、防蟻性能
など、断熱材には様々な性能が求められます。しかし万能な断熱材はありませんので、弱い部分を他の材料や技術でカバーしなければいけません。
これは40年経過したグラスウールという断熱材です。ガラス繊維の中に空気を閉じ込めて断熱力を発揮しています。
よく、「グラスウールはカビだらけになる」という方がおられますが、確かにリフォームなどをすると壁の中のグラスウール断熱材が真っ黒に変色しているのを見かけます。わたしも最初はカビだと思っていましたが、良く調べてみると気密シートが施工してないと、屋外からの風が室内に入り込み、外気の汚れをグラスウールが空気清浄機のフィルターのような役割をしてすすけてしまうことを知りました。
確かにこちらのお宅は、気密シートや透湿防水シートの施工もなく隙間が多い住宅でした。元々は黄色の断熱材のはずですが、真っ黒に変色しています。
この状態を見て真っ黒な断熱材には驚きましたが、もう一つ驚いたことがあります。それは40年前の断熱材がしっかり隙間なく詰まっていたことでした。
木材は痩せる
新築当時の木材は乾燥しているようでも、実際はいくらか水分を含んでいます。しかし長年かけて水分が蒸発していくと木材自体が痩せていきます。その痩せていく木材に断熱材が付いていかなければ隙間が出来てしまいます。それが断熱欠損と呼ばれる部分になり、家自体やそこに住まわれる方にとって様々な悪い影響を与えます。
日本のグラスウールは断熱材の中で最も長い歴史がある
グラスウール断熱材の施工は一般的に難しいと言われております。しかし断熱材の中では低価格で歴史もあります。
最近は様々な断熱材がありますが、何十年後も施工した当時の性能が維持できている断熱材が一番良い断熱材だと思います。