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F-CON(光冷暖)の仕組み パート1
F-CON(光冷暖)?
聞きなれない方がほとんどだと思われますが、床暖房と言えばご存知の方が多いと思います。どちらも遠赤外線を利用した空調設備になります。
遠赤外線とはどんなものなのか?
遠赤外線とは熱を運ぶものであります。広辞苑には
「遠赤外線とは赤外線のうち波長が約5マイクロメートルより長い電磁波。物質によく吸収されることから、加熱・殺菌などにりようする」とあります。
また別の辞典には「熱線とも。分子内の原子または原子団の振動・回転の周波数は主に赤外線によって行われ、また外部からの入射した赤外線は物質原子団
と電磁的共鳴をおこして効果的に吸収されその温度を高める」とあります。
要するに、吸収されて熱に変わるのが遠赤外線の最大の特徴です。例えば、冬に日向では20℃とポカポカしているのに、日陰に入ると10℃と肌寒く感じるのは、太陽から来る遠赤外線が直接人体に届かないから起こる現象です。
遠赤外線は空気を通り抜ける?
ここで分かることは、太陽から出る遠赤外線は空気を暖めにくいことが分かります。空気そのものが温まっていれば日向で20℃なら日陰でも20℃になるはずです。しかし実際は日陰に入ると寒く感じるのは空気が温まっていないからです。実は遠赤外線は空気を通り抜けてしまう性質があります。
エベレストは太陽に一番近いのになぜ寒いのか?
私がよく光冷暖の説明の中で遠赤外線の話題に触れますが、
お客様に「太陽から熱が出ていることは皆さんご存知だと思いますが、それならなぜ太陽に近いエベレストなど高い山の頂上は寒いのでしょう。」と質問をします。ほとんどの方は答えられません。
この現象は先ほど述べたように、太陽から出てくる遠赤外線は空気を通り抜けてしまうので、太陽に近くても空気は温まることができません。また遠赤外線は物体に吸収され初めて熱に変わりますので、エベレストのような高い山に太陽の熱が当たっても山の頂上は面積が少なく、逆に面積が大きい地上付近から先に温度が上がります。
この現象からも分かるように遠赤外線は物体が無ければ熱を発生させることができません。だから標高が高い山は寒いことが分かります。
エアコンやファンヒーターとは温まり方が反対
冬の室内でお部屋の温まり方を思い出してください。暖かい空気は上に。冷たい空気は下に下がってきます。一般的な暖房機は空気を利用して暖房をしています。空気を暖めることにより物体(人や物)を温めています。ここで気が付いて頂きたいのは、太陽から来る自然の熱は下から温まりますが、エアコンやファンヒーターは上から温まります。その一番の原因は直接熱が届くか、届かないかにあります。
頭寒足熱
床暖房やF-CON(光冷暖)などの遠赤外線を利用した暖房機は、空気を介さず直接熱が物体(人や物)に届くのに対し、その他の空調機は空気を介して熱を届けるので、自然の現象で空気は温まると上に上がってしまい、冬の快適な環境である頭寒足熱(頭が冷たく足が暖かい)と反対になってしまいます。
まとめ
今日は遠赤外線についてお話をさせて頂きましたが、熱の伝わる仕組みは室内環境を考える上でとても重要になります。
次回はパート2として遠赤外線についてもう少しお話しさせて頂きます。